2009年3月12日木曜日

日経:ストラディバリウスのバイオリンを買うために自宅を売った(辻久子)

今日の日経夕刊で辻久子がバイオリンを買うために自宅を売った話を書いて居られる。大正解ではなかったか。

1973年、辻久子はどうしてもストラドが欲しくなって、夫に相談もせずに西宮甲子園の自宅を3500万円で売り払って現金を作ったという。無鉄砲この上なかったというような文章で書いて居られるが、金銭的にも大正解だったと思う。

1973年といえば、まだまだ土地バブルの時代。ニッポンの地面の値段は法外に高かった。国際比較で冷静に考えればどうしても高すぎると言うことがわかったはず。辻久子はさすが国際人だ。いまとなってはストラドの方がよほど値打ちがあったことは、誰の目にも明らかになっている。

現在に於いてもニッポンの地面の値段は(都心部の一部を除いては)異常に高い。地面の値段を高くすることが、戦後の自民党政権が代弁するイナカの利益に合致したからだ。おかげでニッポン経済はとてつもなく歪な形に奇形化してしまった。

「白河を越えれば一山十銭」(これは明治時代の薩長官僚が実際に言った言葉)だったのに、利用価値を無視した人為的な地価引き上げが行われた結果、ニッポンはおかしなことになってしまったのである。何千万円も払って「イナカで定年帰農」なんかは、決して考えてはいけません。

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